乳がん治療(リンパ節郭清、放射線治療)後、半年程度は一時的な浮腫が生じることがあります。半年を超えて浮腫が継続するようであれば、リンパ浮腫の可能性が高くなります。
早めに当院にご紹介頂き、リンパ管エコー検査や、ICGリンパ管造影検査、リンパシンチグラフィ検査等にて確定診断を行いたいと思います。
リンパ浮腫の状態に応じて、保存療法やリハビリテーション、体重コントロール、外科治療などを適切に選択します。早期に治療介入することで、リンパ浮腫は治療することが可能となってきております。
がん治療後の浮腫の患者様がいらっしゃいましたら、可能な範囲で下記の検査を行っていただけますと、患者様が当院を受診されたあとの診療がスムーズになります。
また検査で異常があった場合は、当院を受診される前に内科、血管外科などの受診をお勧めいただけますと幸いです。難しいようでしたら当院または連携している医療機関で実施させていただきますのでぜひご遠慮なくご紹介ください。
※①~④は、保存療法を開始する前に必須です。
①採血 :血算、アルブミン、肝機能、腎機能、甲状腺機能、脂質、グルコース
②胸部レントゲン
③心電図
④造影CT検査による上腕静脈等の深部静脈血栓症チェック
⑤リンパシンチグラフィ(参考とする撮影条件は下記/現在保険適応)
使用装置 :Symbia Evo Excel
製剤 :99mTc-HAS-D
コリメータ :LMEGP
マトリックスサイズ :256×1024
ズーム :1.00
撮影プリセット:99mTc-20%、自動近接
検出器 :両面検出
スキャン長 下肢 :足首~頭頂
上肢 :手首~頭頂
スキャン速度 :トータルスキャン時間が10分になるよう可変
例)180cmの場合 18cm/min
150cmの場合 15cm/min
収集時相:注射後15、60分
※15分後の撮影終了後、60分後の撮影までは寝台から降りて足首の運動や屈伸、マッサージなどをして待機してもらう。
撮影体位 :Head First(撮影方向:Head Out)
投与量 :150MBqずつ皮下に注射(キシロカイン使用)
投与部位 上肢 :第2、3指の間